黒空手哀歌(バカエレジー):地上最強のカラテ

酷暑に見舞われた8月24日日曜日
例に漏れずグラバカ東村山ジムも異様な熱気に包まれていました。

24日のクラスには、そんな暑さにも負けないキッズや家族で通われている方、健康志向の会員の方々が参加されていました。

もっとも、光があれば陰があるように、所謂『黒空手家』と呼ばれるイカれた大人達がいるのも事実です。
この日も光に集まる虫のように、柔術の魅力に惹かれたお世辞にもまともとは言えない空手家二人が参加されていました。

「酒はねえのか!いいから酒をもってこい!」が口癖の片岡と『空手こそ地上最強』が座右の銘のFUKURAの二人です。

1クラス目は和気藹々とした雰囲気で進み、特におかしなことはなく、野球と釣りといじめには目がない不適切な大人代表・岡さんもストレッチされて嬉しそうでした。

クリーンなメンバーが帰ってしまった影響もあり、2クラス目を終えてから、ジム内の雰囲気は黒空手家達から発せられる瘴気に包まれ、突くか蹴るかしか能のない前述の阿呆な大人(黒空手家)2人が果し合いをすることに。
やはり、同じ空手家同士であっても流派が異なれば敵なんでしょう。

果し合いの形式はMMAでしたが、ルールは餓狼伝に倣って目突きと金的はナシ、あとは「ナンデモアリ」という非常に明確なものでした。

正直、黒空手家は一人でも少ない方がいいので両者相打ちが理想でしたが、酒乱片岡が戦士としての意地を見せ、RNCでFUKURAを下していました。

果し合いのあと「いや、実は顎が割れそうに痛くてタップしました」と寝言のようなことを言っていましたが、絞め落とされていたわけではありません。

普段からFUKURAは寡黙でクールな空手家ですが、説明下手です。
なので、本当は「巻き藁や鉄柱で鍛え上げた僕の顎で片岡の腕が割れそうで痛そうだったからタップした。片岡が同じ黒空手家じゃなければ顎で腕の骨砕いてました。」と伝えたいのだと理解しました。

かの愚地独歩も「空手術ってのは手足を武器化する」や「俺たちゃ既に武器を身に付けちまってんだ」と言っていましたし、やはり黒空手家の身体は侮れません。

そんなこととらつゆ知らず、酒乱の方の黒空手家は死合い後に早速酒を飲んでいました。馬鹿な大人の見本として今後も反面教師にしていこうと思います。

そんなFUKURAが減量中の自分のためにMMAで胸を貸してくださるということで、僭越ながらスパーリングの相手をしていただきました。

空手を前面に押し出しがちなFUKURAですが、実は打撃一辺倒ではありません。
例え相手が柔道の経験者であっても組み合って立ち技に付き合い、グラウンドの展開でも相手のアタックを正面から受け、マウントやサイドポジションといった敢えて不利なポジションに己の身を置き、横綱相撲さながらの戦い方をします。

↑一方的にパウンドされ続ける福良さん。

また、FUKURAは抑え込まれても無暗に抵抗せず、相手がバテるのを待ち、相手を一方的に疲れさせるという技術を持っており、自らの体力切れも相まって、本来の予定であった20分間のスパーリングを恥ずかしながら完遂することができませんでした。

↑後三角で絞められながら肘打ちを打たれ続ける福良さん。

思えば、漫画『バキ(刃牙)』の中国大擂台賽編において、郭海王は敢えて心停止することで勇次郎のとどめの一撃を受けずに生存し、そのことを「武術の勝ち」と評していました。空手家という存在を超え、もはや空手という概念になろうとしているFUKURAにとって敢えて死に体で攻撃を受けるのも「最強空手」の一つの技術に過ぎないのでしょう。完敗でした。

最後の集合写真を見ても、明らかにFUKURAの顔は生き生きとしています。

2クラス+スパーリングをしても涼しげな顔をしているのは、やはり体力の配分が常人とは異なる黒空手家だからでしょう。

その強さ・逞しさをもって、次は東村山の無自覚失礼ピノキオこと谷沢にMMAと柔術の両方で稽古をつけていただきたいですね。彼にとっていい練習になると思います。

堀裕征
(文責:谷沢朋紀)

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